思うところがあってファンドレイジング協会のセミナーに出席してみた。
出席者の話を聞いてみると、なんだかNPOでファンドレイザー的な仕事をしている人たちは、存外ウェブでのオンライン決済による寄付に関する情報が不足しているようで、困っていた。

私はウェブ上での課金、つまりオンライン決済フェチなので、じゃぁどんな決済方法があるのかこれを機に整理してみようと思う。

その前に。
大前提は、課金の仕組み自体はいろいろあるが、それら課金システムとユーザー個人の情報との結びつきをよく考えることが大事だ。そこを考えてはじめて導入のステージに動くべきだろう。アーキテクチャーの話をすれば、簡単に言うとCRMによる顧客情報データベースと、誰がいついくらどのように課金したかの情報がシームレスに結びついている必要がある。
課金の仕組みをウェブ上に設けることはそんなに大変じゃない。しかしその運用にあたっては、顧客情報データベースをどう結ぶかが大事なのだ。

なぜ大事なのかは、たとえば以前書いた[nekodemo]公共ホールの顧客データ分析をして効率よくチケットを売りたい話を一例に挙げるとして、今回は決済手段に特化して整理する。
(しかしそもそも紹介する下記の決済を提供する事業者が、寄付という商材を受け入れてくれるかどうかは知らない!ごめん)

【1】クレジットカード

まずは定番のクレジットカード。
パソコン、スマートフォン、ガラケーいずれでもいける。
決済代行会社を通すと便利。SBIベリトランスとかJペイメントとか。ゼウスとか。
(なお、決済代行の事業者にはあやしいところもあるので決済代行業者登録制度というのが昨年からはじまっている。)

支払いサイトや手数料は決済代行会社との握り次第。
手数料は月額固定費+決済ごとに数%。
「クレジットカードをインターネット上で入力させるなんてこわーい」と言う老人もいるかもしれないが、決済代行会社からカード情報が漏れて勝手に使われたなんていうのは、へんなお店でスキミングされるより確率は低いんじゃなかろうか(と個人的に思っている)。
ちなみにカード番号などは決済代行会社が持つ。
CRMとの連携に関しては、たいがいどこの決済代行業者も繋ぎこみのシステムをつくれるので、先に会員に自NPOのIDで自サイトログインさせておき、決済完了した時点で決済代行会社からその値を返してもらえばどの会員が支払ったのかわかる。

ちなみに南青山にあるあのイシュアカード会社さんは寄付のカード決済を拒むそうだ。うはは。


【2】銀行振込

銀行振込自体はべつにネットの決済じゃないけど、寄付者たるユーザーにしてみればネットバンクを使っていればネット上で完結するので、一応書いておこう。

まずNPO側は銀行振込用口座を用意することが必要だが、一般的に言ってメガバンク全部に口座つくっておいたほうが入金額は増えるだろう。入口は多いければ多いほど良い。コンバージョンは上がる。口座もってるだけならタダだし。

ただし、例えばCRMとつなげようと思って、入金がある度に通知を受ける仕組みを入れるなどする場合はお金が必要。
みずほのパソコンサービスとか。三井住友のパソコンバンクサービスとか。
これらの繋ぎこみを代行してくれる事業者も存在する。で、それらの事業者のデータベースにアクセスしてCRMと繋ぎこむこともできる。
が、問題点はCRMと繋ぎこむといっても、入金が個人名で振り込まれたもののような場合にそれは難しい。だから、振込時には振込名義欄に、会員IDなんかの数字の羅列を入れてもらうといった方法により、個人を特定することになる。
でもそういうことを言っても理解してくれずIDなんぞ入れてくれない老人も多々いるため、「数字を入れないと寄付特典がもらえませんよ」とか謳って間違い率を下げる仕組みが必要だろう。
なお、べつにそういうことしなくても、スタッフが手動でCRMに寄付情報を入力していく手もある。同姓同名の会員がいたとき大変だけど、振込控えを写真撮って送ってね、なんて言えばいいのだ。
ちなみに、ネット専業銀行には入金通知サービスも最初から楽なものがあって、ソニー銀行のMoneyKitは特に契約しなくても標準でメールベースの入金通知サービスが使える。
楽天銀行は、かんたん決済というような名称でプチ便利なサービスがある。


【3】コンビニ払込

コンビニ払込(およびゆうちょ払込)も厳密にはネット決済じゃないが、払込の申し込みをネット上で行えばネット決済とも言えるだろうか。利便性は高く使う人も多いだろう。
あらかじめウェブ上に個人の情報を入力させ、それに紐付いた情報を印字した払込用紙をユーザーに郵送やオンラインで送り、これを持っていってコンビニで払ってね、と言うのだ。年会費などの継続課金には便利かもしれない。

取引にはいわゆる収納代行業者を使うことになる。
ちなみにクレジットカードなど他の決済方法でもそうだが、契約時には審査があり、コンビニの場合は収納代行業者だけでなくコンビニにもおうかがいを立てることになる。
電算システム、ヤマトシステム開発、SMBCファイナンスサービスなどがある。さらにそれらの二次請けみたいな会社もある。後払いのネットプロテクションズなんかそうだね。寄付に後払いはないけど。
なお、コンビニで支払いが行われるとレジベースで速報データというのがすぐ来て、数日後に本当の入金ベースで確定データというのが来る。これらを取り込めばCRM連携可能と言えよう。


【4】PayPal

やっと日本でも本格稼動してこれからが楽しみなPayPal。
寄付分野についても、わざわざ寄付専用の解説があるくらいだ。
海外のサイト見ると、PayPalのdonateボタンがあるのをたまに見かけましたがこれですね。
日本人がPayPalを使うとなると、結局カード引き落としになるから、寄付者たるエンドユーザー的にはお金が落ちる場所はクレジットカード決済と同じである。しかし一度PayPal上にアカウントを開設しているユーザーならば、同意がワンクリックで超楽チンなので、単なるクレジットカード初回決済よりも離脱率はかなり改善するだろう。
CRMとの繋ぎこみはクレジットカードと同じ。


【5】アプリ内課金

スマートフォンでアプリを落とさせて、その中で課金させるアプリ内課金。
(決済の視点でいえば、アプリ自体に課金することが王道だが、それだとアプリの対価としての課金なので寄付じゃないか。)
アプリ自体のダウンロード課金も、アプリ内課金も、手数料がクソ高い。なぜならgoogleとappleに支配された経済圏だから。おれに逆らうならアプリ消すぞゴルァみたいな。googleに30%持ってかれるので、小額決済ならいいけどちょっとこれは寄付向きではなくて使いどころがあれですな。もちろんアプリを入れつつも、違う決済手段を入れたり最終的にウェブブラウザに一回飛ばすとかすれば他の決済手段を使わせることはできる。しかしそれをやるとごにょごにょ?

しかしそもそもアプリ作れるぐらい技術力ないしは発注できる金あるなら他の決済手段を先に入れたほうがいい。なお、最近はアプリ内課金ASPをやってる会社などもあって各社M&Aされたりしてますねぇ。
googleCheckoutは、その大元をたどるとクレジットカード決済や、キャリア決済での引き落としとなる。これもPayPalと同じで、クリックが少なく済むため魅力的な仕組みである。
そういえばガラケー全盛期のキャリア決済でよくあったのは、小額315円ぐらいで毎月引き落とさせて、でも小額だからユーザーはわざわざ解約するわけでもなく忘れられてウマー(ry ザッパラスはこれからどうするのでしょうか。


【6】ビットキャッシュなどの電子マネー

ビットキャッシュ、ウェブマネー、ネットキャッシュ、Cチェック、セキュリティマネーとか有象無象の主にサーバ型の電子マネーを寄付に使うことも出来るかも。
これらは、クレジットカードやコンビニで買うことができる電子マネーで、それぞれ固有のナンバーが記されているので、そのナンバーをウェブ上で入力することで決済が完了する。もちろん先に会員ログインさせたうえで決済させればCRMとの連携は容易。
しかしこれらの電子マネーを普段から使っている人がどれだけいるのか極めて謎。
オンラインゲームや出会い系(自分のカード情報を入れたくない)利用者層は使っていると考えられるがそれ以外にいるのだろうか。
ただひとつ面白いのは、これらの電子マネーのほとんどが、残高蓄積型ではないため、一回一回買いきりになること。ということは例えば10,000円分の電子マネーを購入したユーザーが、オンラインゲームで8,000円使ったけど、残り2,000円を使わずにそのまま眠らせている可能性がある。そこをねらいに行くのは面白いかもしれない。
寄付のために電子マネーを買わせるのは無理だが、他の利用のためにたまたま電子マネーを買って余らせているユーザーに寄付してもらうのだ。継続的な寄付者になってもらうことは端からあきらめて割り切ってしまおう。そしたらもうCRMなんて使わなくても良い。


【7】Edy

楽天さんに買われていい意味で大揺れ楽天Edy。こっちは非接触ICカードEdyに残高が蓄積されるタイプ。
PASORIと楽天Edy、もしくはmobileEdy(おさいふケータイ)でウェブ上で決済が可能。PASORIってまだあるのかなって思ってこの間ギョーカイの人に聞いたら「ありますよ!」ってキレられた。しかし利用者数は謎。自分で書いておきながらなんですがあんまり寄付には向かないかな。
非接触IC型にはnanacoとかWAONとかiDとかあるがおさいふケータイ上以外でのオンライン決済のことは知らない。


【8】楽天キャッシュ+楽天スーパーポイント

楽天といえばこちらも捨てがたい。中小事業者を巻き込んで楽天経済圏を作り出しつつあるこちら。楽天あんしん支払いサービスなどと言う。
楽天キャッシュは、PayPalと同じでクレジットカードから引き落とすウェブ上の電子マネー。いったんお金をプールしておける。そしてスーパーポイントは楽天経済圏でお買い物をするともらえるポイント。
CRMとの連携も容易。支払いサイトが結構短かった気がする。


【9】facebook

よく知らないけど今後くるかもしれないので一応。
facebookのゲーム内仮想通貨としてfacebookクレジットなるものがあったが、日本では特に使われないなぁと思っていたらフェイスブックが仮想通貨を廃止(←今日の記事)だそうだ。
facebookページでファンを募って決済まで持っていくのは、自NPOサイトで寄付を募るよりやりやすいかもしれませんね。


あと何かあるかな?
他にもなにかおもしろ決済手段あったら誰か教えてください。
そして上記に誤りがあったらガンガン指摘してください。後半だんだん適当な書き方になりましたがオンライン決済の勉強をちゃんとしようと思います。