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2013年4月30日、愛知県豊橋市の豊橋駅前に、穂の国とよはし芸術劇場プラットがついにオープンした。
オープンした場所はもともと渥美線が通っていた場所であり、渥美線をJR側に移動させてこの劇場ができあがったのである。
この場所をどのように使うかはかつて豊橋市長選挙の争点になったりもしていたので、やっとこさの劇場オープンは個人的にとても感慨深い。

ちなみに名前は「穂の国」とよはし芸術劇場PLATね。
「ほの国」じゃなくて「穂の国」。「ほの国」だと、東三河広域協議会とか百貨店とか豊鉄のバス。「穂の国」だと豊川のJCとかハーフマラソンとかのほう。むずかしいね!
そして「豊橋芸術劇場」じゃなくて「とよはし芸術劇場」だ。
さらに「ぷらっと」じゃなくて「プラット」だ。

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さて、このオープンしたばかりの劇場「穂の国とよはし芸術劇場プラット」で、劇場ツアーが開催されたので行ってきた。のでレポート。
まずは「主ホール」という名前のついたキャパ778のホールから!

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ホワイエから、二重扉をあけて中に入ります。

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扉を抜けると目の前に舞台が拡がる。この光景はぐっとくるね!

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この赤いカーテンは、割り緞になってました。「三河地方初!」って言ってた。
割り緞ってあんまり使わなそうだけど。バレエのカーテンコールとかで使うのかな。ちなみにこれは天にも飛ぶのでそっちで使うことのほうが多そう。

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緞帳がとびきるとこんな感じ。バトンが降りてます。
間口は8間。8間といえどけっこう奥行きがあって、タッパも高い。
プラットのサイトに載っている吊物機構の情報を見てみると、吊物バトンが33本もあるぞ。これはすごい。
ちなみに、2月か3月だったかに開催された豊橋市首都圏活動センターの催し(豊橋関係の首都圏在住者が集まるパーティー)のときに、市長が「日本最大のバトン数です!」と豪語していたけど、さすがに日本最大のはずはないだろう。
強いて言えば、世界劇場会議2013のときの資料によれば、照明電源をどのバトンにもくっつけられる機構がついてるとのことなので、それは珍しい。KAATなどに採用されてるものだそうだ。マルチで立ち上げずに済むなんて夢のようですねじみじみ。

バトンはほとんど電動だけど少々は手引きもあるっぽい(未確認)。
定式幕もあると書いてあるので和物に対応してるわけですね。和物系団体からの要望を取り込んだ苦労がうかがい知れます。花道もつくれるそうな。

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客席はこんな感じ。
写真でいうと、左の客席の床の色が違うが、ここはオケピになるところ。オケが何人入れるのかは知らん。というかオケピだけどオーケストラ用途よりも舞台を張り出して使うときとかに重宝する予感。


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客席は1階席と2階席があります。
2階席バルコニーからはかっこよくソースフォーの明かりがでてます。いろんなところに照明を吊れていいですね。このへんに、SePTとかKAATとかと同じく演劇専門劇場の香りを感じます。
壁の赤色のラインは、豊橋の「花火」をイメージしてるそうな。そんなにハレそうもない(ように感じた)。


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プロセニアムは黒いので大丈夫ですね。
フロントは超いっぱいどこにでも灯体を吊れるようになっててすばらしい。


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舞台上から客席を見た図。ほんとはトーメンタルを写した写真。


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バトンを見上げた図。照明はだいたい松村電機です。たぶん。
学生時代に松村電機の工場に見学に行ったことがあるけど、ワールドライティングフェアなどでも見かけなくなってきたので(まぁ国内メーカーがどんどこいなくなりましたが)、どうかなっちゃったのかと思っていましたが、こうして新規の劇場にも納入して良かったですねぇ。

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搬入口の方面から舞台を見た図。奥行きがあるのが分かるだろうか。


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舞台のいちばんうしろ。格子状になっててシズなどが置いてあるような感じです。(よく見てない)

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下手袖にあった箱馬と平台。



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この写真は、舞台の下、いわゆる奈落。
新聞報道によると、当初はセリ(盆も?)を作る予定だったが、予算削減だかなんだかで手動で舞台に穴をあける方式に変えたらしい。東京だと、たしか銀河劇場(アートスフィア)やルテアトル銀座(銀座セゾン劇場)もこんな感じだった記憶がある。嘘だったらごめん。
実際のところ、これぐらいのキャパ規模の劇場の場合、セリを作ると金がかかるわりに管理は大変だし公演ではほとんど使われないくせに奈落の平台置き場から平台運んでくるぐらいしか使われなくてしかも小屋つきに「近づくな死ね」って言われるし、これは賢明な判断だと思います。花道も仮設ですっぽんも無いんだろうし、ちょうどいいんです。すっぽんも手動で作れるのかな!?

どうでもいいですけど私の人生初奈落は、豊橋勤労福祉会館(いわゆる「きんぷく」)です。高校生時代、まさにセリで平台を運んだだけだったような気がする。そして勤労福祉会館は、運営主であった愛知県が「財政難でもう金かけたくないイヤだ」と言って手放しました。ちゃんちゃん。べ、べつにセリが原因じゃないけど。


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さて、2階席はこんな感じです。矢作さんが説明してくれてます。矢作さんは元SePTです。そして東京のおうちが我が家とど近所らしいです。


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音響ブースです。卓はYAMAHAのCL3。チャンネル少なそうと思ったけど、最近の卓はデジタルだからこう見えて
72chいけるそうな。照明みたい!
あとスピーカーがどうのとか説明してもらったんですが、音響がちんぷんかんぷんすぎてよく覚えていない。たぶんすごいんだと思います。

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そしてこちらが照明卓。照明は3段プリセット国産。矢作さんが書いてた記事によると、高校演劇でも使えるようにという要望のもとこうなったそうな。カラオケ大会とかはこっちのほうが楽です。カラオケなんてやらないと思うけど。
もちろんシーンのメモリもできます。
見学してた際にたまたま私が卓の前にいたので、スタッフの方に「どうぞ触ってください」と言われ、GOボタンをぽちぽちしてみました。

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こちらは楽屋。写真が暗くなっちゃったけどほんとは明るい。
メイク用の鏡はちゃんと三方に電球がくっついていて分かってる感じです。

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つづいて一度外にでます。外にはバーカウンター的なものが。(これなんて言うの?)
催しものが行われるときには、豊橋市民大好きコスタリカが来てくれて、コーヒーやジュースを売るものと思われます。
コーヒー250円なら豊橋価格としては適正かな。ちなみにこの間新国立劇場のオペラパレスでコーヒーのんだら400円だった。
オペラ・バレエ・ミュージカル系の劇場いくと、シャンパン(スパークリング)で1,000円を超えるところもあるけど、どケチな豊橋っ子がそんなものを飲むとは思えないので、シャンパンを置かなかったのは正解でしょう。それにしてもビールがあるっていうのは普通なんですかね?

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こちらは女子トイレと、ほほえみの矢作さん。女子トイレを写真撮影できるのは今だけ!
劇場に来るお客さんは女性のほうが多いので、女子トイレの数のほうが多いのです。
超でかい劇場だと、幕間にトイレの数が足らなすぎて、同じ建物内の別のトイレに誘導するようなところもありますね。



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続いて、主ホールを出て創造活動室というところにいきます。いわゆる稽古場。

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後ろに窓が見える。これは、外から中で何をやっているのか見えるようにしようというコンセプトでつくった窓だそう。市民活動的にとてもいいアーキテクトだと思う。

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ここにも電源盤が! 中をあけてないのでわからないけど、ユニットが入っていてDMXをつなげるのだろうか? それとも三相四線か単相三線ぐらいでぶちこめるようになってるのだろうか?

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天井もグリッドになっていて、灯体吊れる。

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し、しかし! ここには一面だけ謎の白い壁が鎮座している。そういうデザインらしいけど、超じゃま。
演劇向きではなさそうだ。

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つついでもう一つの稽古場へ。ここは広さがあるのでアトリエ公演的なものが使えそうな雰囲気。
しかし、壁が明るい。

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天井なんて、白いぞ。灯体は吊ってあるけど。
この壁の白さは嫌がらせみたいなものである。まるで早稲田の新学生会館の黒でもなく白でもない中途半端なグレー色の壁を彷彿とさせる。

ここは灯体こそ吊れるようになっているが、特にこの稽古場専用に(劇場として)灯体を確保しているわけではないそうだ。つまり、完全持ち込みの場合は別として、イベントが主ホールとこことで被ると調整が大変になるというわけである。
ちなみに私はかつて、とある指定管理者が入ってる劇場で照明スタッフとして入ったきに、2つのホールでイベントが被ったという経験をしている。私はいわゆる貸し館行事のほうで雇われて入ってたのだが、もう片方はそのホールの自主事業だった。結果どうなったか。なんと、「ホールの自主事業のほうがダイジだ!」って言って、指定管理者が私が入っていたほうのホールにあったユニットを持っていってしまった! 灯体をちょっともってくぐらいだったら仕方ないかなと思うけど、ユニット持ってくとは唖然ですよ! 豊橋ではこんなことが起こらないことを願います。いやふつーないけど。

さて、それから客席も平台等で一から段組しないといけないが、その時間がどの程度かかるか分からないため、まだこの場所での公演を薦めるにも薦めづらい、とおっしゃってました。このへんは一回組んじゃえばそのノウハウを使い回していけばいいだけなので、時間が解決することでしょう。

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つづいて今度はアートスペースというところへ行きます。
ここはいわゆる小劇場的な公演が使えそうなところ。
フロアがフラットな状態。


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と思いきや、ロールバックチェアでした。

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ここの天井は黒いので、演劇できる。
どうやら照明はブリッジになっていて、ブリッジに登ってシュートできるみたい。きっとここを使うであろうアマチュア演劇人には便利。

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DSC_0263 posted by (C)nekodemo

客席の一番うしろから舞台を見た図。写真の右側(上手)にちっちゃく映っているのが同い年の職員のくりちゃんです。(いろいろ大変だと思うけどがんばってください。)
舞台には何もないけど、幕をつったりいろいろがんばればいい空間は作れることだろう。ちなみにホリ幕は巻き上げ式のスクリーンとして吊ってあった。


レポートにつかれてきたので、続きはまた今度。
次回へ続く


via.
[nekodemo]穂の国とよはし芸術劇場PLATに行ってきた〜その2
[nekodemo]穂の国とよはし芸術劇場PLATに行ってきた〜その3