徳力 基彦「デジタル・ワークスタイル―小さなことから革命を起こす仕事術」を(やっと)読んだ。
今の気持ちとしては、「会社でインターネットをメール送受信かYahoo!Japan検索ぐらいにしか使えていない宝の持ち腐れ的 周りの同僚に、この本を配って歩きたい!」ということだ。

この本「デジタル・ワークスタイル」の内容としては、タイトルそのまんま通り、仕事を効率的に進めるためにデジタルツール(インターネットツール)をどのように使うと便利なのかが、著者の体験を交えながら解説されている。
ただし、紹介されているツールは、メーラーの使いかたやRSSリーダーやブログ検索エンジンなどわりとネット界隈にいる人には一般的なものである。それこそ著者のブログを普段から読んでいるようなネットジャンキーな人たちにとって、この本は目新しさはないと言える。

しかしだ。
メーラーの便利な使い方やらRSSリーダーやら、ネットジャンキーにこそ周知のツールであるものの、一般のオフィスワーカーには全然知られていないのが現実だ。
私の勤務先も、IT系でもなんでもない いわゆる「普通の」会社だから、RSSリーダーとかブログ検索など、使いこなしている人はほとんどいない。

(この間も、会社の人に「RSSっていうアイコンをクリックしたらプログラムのコードみたいのが出てきた」と言われた。たぶんフィードがそのまま表示されたのだと思われる。)

なので、そういう人たちにとってこの本は価値があるはずだ。
デジタルツールを使うとこんなに便利に情報を処理できるんですよ、と。そんな本。


けれど、実際のところ、普段デジタルツールをほとんど使っていない人にそういう新しいツールを使わせたり新しい使い方を学ばせたりするのは本当に難しい。
今のアナログな仕事のスタイルに危機感を持っている人たちは新しい手法を試そうとするけれど、現状に満足していれば今のままでもいいもんね。

私も会社で、なるべくデジタルツールを使ってみようとしているが(最近は同僚とはてブをグループ共有してみたりしている)、なかなかどうして、デジタルツールも便利っぽいけど、今の仕事の仕方からデジタルツール利用スタイルにチェンジすることによる当人のインセンティブが分かりにくいから、周りの人にお勧めするのも甚だ難しい。

この本に書かれている、手段としてのデジタルツール利用以外の部分(仕事に対する価値観を逆転させよう、など)はまったくその通りで、それは万人に理解してもらえるはずだが、デジタルツールがいかに便利か効率的かっていうのはなかなか現実では伝えにくいのだ。
ネットに精通している人ではなく、一般の普通の人がデジタルツールに抵抗無く触れるようになったとき、はじめてそのデジタルなワークスタイルが効率的であると認識されるのだろう。



デジタル・ワークスタイル―小さなことから革命を起こす仕事術
徳力 基彦
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