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アートマネジメント、舞台照明、表現教育、地域コミュニティ文化、webマーケティング、金融をたしなみたい。趣味だじゃれ。

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悲劇喜劇2018年1月号の特集が「演劇経済学」ということで、私も読んでみた。
一冊の中で、いろいろな立場の演劇人が執筆していてじつにおもしろかったのだが、枝葉のところでめちゃくちゃ気になる事項が出てきてしまった。
それは、芸術文化振興基金の助成において、「演劇の大道具は助成対象経費になるのか?」という疑問である。

例えば、悲劇喜劇2018年1月号のなかで、日本芸術文化振興会演劇PDの酒井さんが「助成金の功と罪」というタイトルで芸術文化振興基金について語っている。酒井さんのお話は私も5年前にON-PAMのイベントで耳にしたことがあって、そのときも若干違和感を感じたがスルーしていた。
しかし雑誌で文字で出てくると、スルーできない。酒井さん個人がどうのという話ではなくて、芸術文化振興基金の仕組みの話だ。

雑誌のなかでこんな表現がでてくる。
”酒井 (中略)でも助成金制度というのは先に述べた通り本来投資です。投資することで活性化して、助成が不要になるというのが本来の形。”
悲劇喜劇2018年1月号P.30
とのことだ。投資という考え方はすばらしい。しかしそうすると、今の制度だと矛盾する部分が出てくるのではないだろうか。続きを読む

当たり前な話を書く。

あまり普段見ないジャンルの舞台芸術に触れようと思い、最近は普段自分が見ないジャンルの舞台を見ることにしている。
ノルマのようにチケットを入手し、修行のように劇場をはしごする日々。googleカレンダーに劇場名だけを入れておいたら、その日に自分が何の作品を見るのか覚えていないということも多々ある日々である。作品のジャンルは多種多様。

ここ3ヶ月ぐらいで見たのはこんな感じ。

ストレートプレイ
怒りをこめてふり返れ新国立劇場小劇場
魔都夜曲シアターコクーン
文学座「中橋公館」紀伊國屋ホール
チックシアタートラム
ワーニャ伯父さん新国立劇場小劇場
少年王者舘「シアンガーデン」ザ・スズナリ
ミッドナイト・イン・バリ〜史上最悪の結婚前夜〜シアタークリエ

ミュージカル
ファインディング・ネバーランド東急シアターオーブ
パジャマゲーム日本青年館ホール
シカゴ東急シアターオーブ
ウエスト・サイド・ストーリー東急シアターオーブ
坊ちゃん劇場「52days」新宿文化センター大ホール

歌舞伎
スーパー歌舞伎II「ワンピース」新橋演舞場

その他の伝統芸能
鼓童「若い夏」浅草公会堂

オペラ
神々の黄昏新国立劇場オペラハウス

ダンス
上海歌劇団「舞劇『朱鷺』−TOKI−」オーチャードホール
LENINGRAD HOTELスパイラルホール
信長 ―NOBUNAGA― 東京国際フォーラムホールC

ノンバーバルパフォーマンス
アラタオルタナティブシアター
GEARギア専用劇場
マルタン・ズィメルマン「Hallo」東京芸術劇場プレイハウス

人形劇
たいらじょう「はなれ瞽女おりん」新国立劇場 小劇場


これらを見ている間に海外へ出かけたりもしており、舞台ばかり見ているわけでもないのでなかなか密度の濃い日々である。ご招待いただく作品もあるのだけれどお金もなくなる。

で、超あたりまえのことを書くのだけど、いろんなジャンルを横断して舞台芸術を見ていたら、それぞれの劇場での客層の違いを目の当たりにした。

ここで身も蓋も無いマトリックスを用意する。
観客が、「作品に価値を見出して」見に行くのか、それとも「役者に価値を見出して」見に行くのかでマトリックスにしてみた。

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もうこの時点で演劇ファンのこうるさい人たちからブーイングが来るのが目に見えているけれど、戯言だと思って聞いてくれ。続きを読む

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そして、2017年ヴェネチア・ビエンナーレへ行ってきた。

ヴェネツィア・ビエンナーレ(Biennale di Venezia, 英語: Venice Biennale / Venice Biennial)は、イタリアのヴェネツィアで1895年から開催されている現代美術の国際美術展覧会。イタリア政府が後援するNPOであるヴェネツィア・ビエンナーレ財団が主催し、二年に一度、奇数年に、6月頃から11月頃まで開催されている。ビエンナーレとはイタリア語で「二年に一度」を指す。
この展覧会は、万国博覧会や近代オリンピックのように国が出展単位となっており、参加各国はヴェネツィア市内のメイン会場となる公園やその周囲にパビリオンを構えて国家代表アーティストの展示を行う。国同士が威信をかけて展示を行い賞レースをすることから、「美術のオリンピック」とも称される。
wikipediaより


個人的には、ドクメンタとミュンスター彫刻プロジェクトはコアな現代アートファンしか知らないイベントだと思っている。一方、ヴェネチア・ビエンナーレは比較的一般の人にも知られているかなと思っていた。
そこで一般市民何名かにヴェネチア・ビエンナーレの話をしてみたところ、軒並み「何それ?おいしいの?」という反応だった。そうか、ヴェネチア・ビエンナーレが一般にも有名だと思っていたのは思い込みだったか……。続きを読む

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続いて、2017年ミュンスター彫刻プロジェクトへ行ってきた。
ミュンスター彫刻プロジェクトは、10年に一度しか開催されないので体験できるのが超貴重である。

ミュンスター彫刻プロジェクト(Skulptur.Projekte)は、ドイツ連邦共和国の北西部、ノルトライン=ヴェストファーレン州の都市ミュンスター(Munster)で、10年に一度夏の間だけ開催されるアートイベント。公共空間と芸術作品の関係がテーマで、芸術家が事前に町に滞在し、町や住民のことをよく調査した上で作品と設置場所のアイデアを出し、滞在制作し作品を設置するというやり方を1970年代から取り入れていたことが特徴。
wikipediaより


これはどこかの誰かから聞いた話だが、大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭といった日本の地域アートプロジェクトを引っ張る北川フラム氏は、ミュンスター彫刻プロジェクトを参考にして日本の芸術祭をつくったのではないかという説がある。
実際にミュンスター彫刻プロジェクトを見てみて、確かにそれらの国内の芸術祭と大変似ていると感じた。

街のいろいろなところに作品が置かれているのだ。
そして、過去のミュンスター彫刻プロジェクトにおいて製作された作品が、それ以降も恒久展示されている例もある。
大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術と同じだ。

DSCF6179続きを読む

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世界に名だたる現代アートの祭典、ドクメンタ(ドイツ・カッセル)、ミュンスター彫刻プロジェクト(ドイツ・ミュンスター)、ヴェネチア・ビエンナーレ(イタリア・ヴェネチア)に行ってきた。この3つが同時開催されるのは10年に一度の超レア機会なのである。

ということで、とても他人の意見に影響を受けているけれどそれぞれについて書いてみる。
まずは2017年のドクメンタ14。
なお、ドクメンタは今年はギリシャでも開催されているが私はドイツのものにしか行っていない。

ドクメンタ(documenta)とはドイツ連邦共和国中央部(かつての東西ドイツ国境付近)、ヘッセン州の小さな古都・カッセルで1955年以来、5年おきに行われている現代美術の大型グループ展である。あるテーマのもとに現代美術の先端を担う作家を世界中から集めて紹介するという方針で開催されており、美術界の動向に与える影響力が大きく、世界の数ある美術展の中でも「ヴェネツィア・ビエンナーレ」に匹敵する重要な展覧会の一つに数えられる。
wikipediaより


それぞれの芸術祭に私は人生で初めて出かけたので、それぞれ過去どのような展示がされていたのかは伝聞でしか知らない。しかし聞くところによれば、特にドクメンタは、誰がディレクターになるかによって展示の内容ががらっと変化し、毎回違うものになるということだ。
今年のドクメンタはテーマが「Learning from Athens(アテネに学べ)」になっている。これはどうやら、EUの中でイケイケなドイツが、EUの問題児であるギリシャを経済面では面倒みている状況の中で、そのカウンターパートとしてアートの視点から「アテネに学べ」と言っているようだ。(たぶん。)続きを読む

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