(前のエントリーの続き)

地図から検索出来れば便利だろうな、と常々思っていたサービスの一つが、グルメ情報である。

グルメ(お店)情報提供サイトというと、インターネット界の老舗は文句なしにぐるなびである。Yahoo!Japanをはじめとした各種検索エンジンの検索キーワードランキングでも、「ぐるなび」は常に上位に顔を出している。グルメなお店情報を探そうと考えて思いつくのは、ぐるなびなのだ。

ぐるなびの基本的なビジネスモデルは、各地の飲食店からお金をもらい、そのお店の情報をウェブサイトに掲載することで収益をあげるという構造だ。ぐるなびは、最近は銀行と組んで飲食店コンサルなんかも始めているが、基本は「自社媒体を作り、そこに情報を掲載して掲載料を取る」という広告掲載の一般的なネットビジネスの形である。
しかし、私は一ユーザーとしてぐるなびを随分前から使っていて、どうにも使いにくかった経験がある。それは、飲食店の掲載数が増えれば増えるほど、検索がやりにくくなるという理由からだ。

ぐるなびの現在の検索機能の一つに「地域から探す」というのがあって、それを私はよく利用している。しかし、店舗掲載数の少ない地域ならまだしも、「銀座」とか「新宿」とか、めちゃくちゃ掲載数の多い地域を選ぶと絞り込みのしようがなくなってくる。
「銀座でうまいお酒呑みたいな」と思い、銀座エリアから検索をかけようとするのだが、ヒットするお店の数が半端ない。

そこで、「じゃぁ銀座エリアからさらに絞りこんで、銀座一丁目のお店を探そう」とか思ってみるのだが、そこで「銀座一丁目」というワードで検索すると、銀座一丁目じゃないけど銀座一丁目の「駅」から徒歩でいけますよ、というようなお店までヒットして甚だ困ったものだった。

しかし、最近やっとのことでぐるなびも地図からの検索が出来るようになった。ベータ版なのでとっても目立たないように密かにリリースされているが、これは便利で私も重宝しまくっている。

お店のことを探すには、料理の内容から選ぶばかりがすべてではない。例えば二次会のお店を事前に調べておこうと思ったら、料理の内容よりも一次会の場所からどれだけ近いかが重要な要素になるだろう。だから、地図からのお店検索はとっても便利なのだ。

地図からお店を探せるようにしてしまって、ユーザーがその利用方法に流れてしまうと、きっと今のビジネスモデル(料理の内容をメインに掲載してそのお店情報のページへのアクセスを稼ぐ)が崩壊しかねないけど、我ら一般市民にとってはこのうえなく便利なので、ぜひ今後もぐるなびさんには頑張ってもらいたい。

ところで、ぐるなびの対抗馬となるグルメ情報サイトとしては、リクルートのホットペッパー.jpが挙げられるだろう。ぐるめピタとかライブドア東京グルメのほうが歴史は古いが、フリーペーパーで認知度を高めたホットペッパーの力は、相当強い。
しかしそもそも当初、フリーペーパーとしてホットペッパーが創刊されたとき、私は「なんて使いにくいんだ」と思った記憶がある。なぜならそれは、やはり地図からお店が探せないからだ。リクルートの営業力のおかげで店舗掲載数はやたらに多いが、もはやどのお店がどの辺りにあるのか、土地勘のないエリアだと探しようがなかった。
そして今でもホットペッパーは地図から探せなくて不便だ。

しかし あるとき、リクルートのビジネスモデルが、それまでのただの「広告掲載ビジネス」に止まらないことを悟ったとき、そんなことどうでも良くなってきた。
サイバードと提携し、R25からはじまる携帯コンテンツの作成、電子決済ビジネスへの参入──。ホットペッパーで培った、詳細な各エリアでの飲食店ネットワークと、携帯電話の位置情報サービス、そして課金システムとを組み合わせ、リクルートは新たな展開を目指そうとしているのだ(たぶん)。

ぐるなびは、グルメ情報ポータルサイトとしての儲け方に忠実に、いかに自社媒体としてのぐるなびサイトにユーザーを誘導し、「サイトそのものを」いかに使ってもらうかに力を注いできた。そのための一つのツールが地図からの検索だった。

そしてリクルートはそこからさらに一歩進み、位置情報というツールからユーザーの生活圏に深く入り込み、決済システムという我々のさらに身近なところを突いてこようと狙っている(たぶん)。ただの「検索手段」としての地図利用ではなく、他の新たな儲け方を模索しての地図利用なのだ。

今後、地図をはじめとして 位置情報サービスは、我々一般市民の細かくお手軽なニーズに深く応えてくれるようになるだろう。


そのさらなる期待と展望は、次のエントリー「地図情報サービスの明日はどっちだ──その3」に続く。

(参考リンク)

ITmediaニュース:スクロール地図で飲食店検索 ぐるなびがβ公開

加熱するケータイ戦国時代--今度はサイバードとリクルートが資本提携 - CNET Japan