今さら感は否めないが、豊橋情報サイト筆でちくわに、googleMapsAPIを導入した。
筆でちくわは豊橋市内の各所見所情報を掲載しているサイトだが、MovableTypeですべて構築し、スポットごとにパーマリンクがあるため、そのパーマリンクへの導線としてgoogleMapsを使ってみたわけである。とりあえずトップページを見て頂きたい。地図に出てきているアイコンをクリックすると、その地点にある観光スポット情報に飛べるようになっている。

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googleMapsAPIを入れている地域サイトというと、お隣浜松市にLocodocoマップ浜松なんかあるが、地域情報サイトには地図があるとひじょうに分かりやすいものである。

さて、そうはいっても筆でちくわの中身はなんだかしょぼーいままなのだが、自分のことは棚に上げて、このエントリーの本題はローカル検索の未来について、だ。googleMapsを導入しながら感じたローカル検索の未来について、少々考えを巡らしてみよう。

googleが、どうしてこんな高度の地図情報を、我々弱小ウェブサイト管理人にまで無料で使わせてくれているのかというと、それはただのボランティア精神ではない。なにかgoogleなりの考えがあるはずだ。googleMapsが世に登場したときには、その考えとして、おそらく地図を使った新しいgoogleのサービスを、我々ユーザー自身に考えさせようとしているのだとかなんとか言われていた(気がする)。誰かが地図を使った良いサービスを作り出したら、それをgoogle本家で採用しようとかそんな感じのニュアンスのね。
で、まぁ日本でもgoogleMapsAPIを使ったいろんなサービスが出てきたわけだ。はてなマップとかデート通とかなんかいろいろ。

しかし、今回自分でgoogleMapsを自分のウェブサイトに入れてみて思ったのは、はてなマップとかデート通とかそんな高度なサービスを作り出さなくても、googleMapsを自サイトに簡単に貼り付けるだけで、充分google的には利益になるのだなということに気づいた。googleの、将来のローカル検索のインデックス量の増加に役立つということに気づいたのである。

つまりこういうことだ。 googleMapsAPIを使うときには、はてなマップみたいな高度っぽい使い方にせよ、筆でちくわの例みたいな簡単な使い方にせよ、どんな場合も必ず地図の中心地点をソースに明記しなければならない。経緯度座標の指定である。

例えばこのページでは、豊橋市美術博物館を表示しているが、これはソースとしてはGPoint(137.3947, 34.7693)となっていて、地図の中心地点となる場所(つまり地図上の豊橋市美術博物館の場所)の経緯度を数値で表しているということになる。経度137.3947、緯度34.7693という意味だ。経度と緯度の指定は、googleMapsを表示させるために必ず必要な作業であるのだが、逆に言うと我々弱小サイト管理人は、経緯度を指定するだけでその地点の地図を無料で表示できるという超便利な環境が手に入るわけだ。そして我々弱小サイト管理人は、「超ラッキー」と思うのである。
しかし、これは実はgoogleにとっても超ラッキーなことなのである。 だって、googleからしたら、どのURIがどの地点の情報についての情報を記述しているのか、自分のAPIを使ってくれることでインデックスできるということじゃないか。

さきほどの例でいえば、http://www.fudedechikuwa.com/chikuwa/archives/000003.htmlという豊橋市美術博物館を紹介しているURIで、経緯度(137.3947, 34.7693)、の情報が呼び出されている、ということが、google側で把握できるわけである。 で、筆でちくわ上ではこの地点の情報は、あくまで、「豊橋市美術博物館」という情報しかないが、google側からみたらこの地点には筆でちくわの「豊橋市美術博物館」という情報があり、一方で全然違うサイトの中でも同じぐらいの経度・緯度でまた違う情報が掲載されているということが判読でき、ローカル検索の際のインデックスの中身にそのまま繋がるのだ。

将来インデックスされたら超役立つだろうと思われる実例を挙げてみよう。
東京の新宿駅東口の例だ。
googleMapsで新宿駅東口を表示させてみると、こんな感じだが、googleMapsAPIを使っているサイトで、この経緯度周辺(だいたい)の情報を持っているページがどれだけあるか、適当に人力で調べてみた。
すると、出てくる出てくる。
はてなマップではこんなページ。 映画生活ではこんなページ。 東京オフィスサーチではこんなページ。 デート通では例えばこんなページとか。
他にも直リンク(っていうの?)出来ないサイトもいろいろあるけど、新宿東口の情報が載ったURIはたくさんだ。
それぞれのサイトはジャンルは全然違うけど、結局新宿駅東口という一つの地点の情報を扱っていて、その表示のための記述は経度・緯度として共通化されているのだ。こんなの将来goole先生にインデックス化してもらってがんがんローカル検索に応用できるではないか。あーすごい。

ちなみに、googleMapsを使わないとしたって、MapionとかALPSとかも、地図の表示には経度と緯度を使っている模様なので、うまいことやればgoogleもこっちの地図もインデックス化出来てしまう。あな恐ろしや。
もちろん、インデックス化出来ればそれでいいという話でもなくて、一つの地点に登録された各種の情報を、どのようにランク付けするのかという問題も残っているが、まぁそれは今まで通りSEO業者の頭を悩ませるいろんな仕掛けを勝手にgoogleが作ってくれるだろうから気にしないことにする。

とりあえずgoogleMapsとローカル検索の未来が大いに楽しみである。