梅田さんのところでキャリアの話が出ているので、ちょうど良いタイミングだし便乗してエントリー。
たまたま最近、グループ会社内で「社内を元気するにはどうしたら良いか」みたいな話が出てきて、自分は何もそんな業務には関係ないのに、有志によるミーティングに呼ばれたことがあった。若手社員の一人でへんなことをやってるやつだし、ということで呼ばれたのだと思うが、せっかくなのでいろんな意見を言ってみた。
しかし、いかんせん自分は大企業の中のただの一社員だし、「社内活性化」みたいな人事のような話は今まで携わったことがなかったので、じゃぁ実際に一社員としてアクションを起こすとなったときにどうしたら良いのかが分からない。では先行事例を見てみたらどうかと思い、思いつきで昔からの友人に聞いてみることにした。
彼女の勤務先は、ベンチャーの教育・研修会社で、人のキャリアだとか働くモチベーションの面だとかから、いろんな企業の社員と接触がある。だからいろんな話が聞けるかな、と思って連絡をし、昨日会ってきたのだ。
で、いきなり話が飛ぶんだけど。
「女は納期があるのよ」と彼女は言った。
「仕事もするけど、でも実際は結婚するのも子どもも産むのも、納期が決まってる」とのことだ。無理矢理な解釈すれば、納期のある女性は仕事をするばかりではいられない、ということか。
だいたい男は馬鹿だから女性の言うことがよく分かってなくて、で自分も大抵分かってないのだけど、この「納期」という話は自分に実感がないからはっきりいってほぼ理解しきれない。頭では理解したつもりになっても、本当のところで理解しきれない気がする。
この間、既婚者と話していてあぁなるほどな、と納得したことがあった。
「女性が結婚に執着するのは、おそらく女でなくなること、若さを失うことへの不安なんじゃないかと思う」。
20代前半の我々の年代だったらまだ良いけど、女性はいつか、若さを失ってモテなくなる。そうすると、自分の存在意義を維持するために、結婚というプロセスを踏んで誰かを支えること、子どもを育てることだとか幸せな家庭を築くことに意味を見出そうとするのかな、と思う。
そうすると、「女性の納期」もなんだか分からないでもない。
これを「働く」ということから考えると、一つ見えてくることがある。
同世代の男性陣の中には、いわゆる「ばりばり」働いてる人たちがいる。夢実現のために寝る間も惜しんで仕事しているような人たちだ。大企業勤務でもベンチャー企業勤務でもそういう人はどこにでもいて、彼らを見ているとすごいなぁと単純に感心する。
しかし彼らのような仕事ぶりが女性に出来るかというと、たぶん出来ない。
これは女性差別ではない、と先に言っておくけれど、こういう「ばりばり」の働き方を継続してしまうと、女性にとっては失うものが大きすぎるのだ。自分の「納期」にね、間に合わなくなっちゃうんじゃないだろうかと思うから。
さて、男性である自分自身はどうか。
細かいことは省くけど、たまたま今自分は、大企業にいながらもほぼ自分の「好きな」仕事を出来ている。
しかし最近不安なのは、あまりにも自分が好きな仕事を出来てしまっているが故、「自分という『個』と会社という『組織』の関係」がめちゃくちゃ近くなってしまっているように感じることだ。
My Life Between Silicon Valley and Japan - 「「個」として強く生きること」と「ウェブ・リテラシーを持つこと」の関係曰く
そういうゴールをイメージしたとき、リアル世界においてどれだけ自由度を持った生き方ができるかがとても大切になる。組織はよくも悪くも人を時間的に縛る。でも組織を離れるのは不安だ。そういうジレンマの中で思考停止してしまう場合が多い。たとえば三十代半ばで一年くらい「好き」を貫いて暮らしてみたい、ということをイメージしてみよう。それは「イメージしちゃいけないようなこと」なんだろうか。おそろしく能力の高い人以外には許されない贅沢なんだろうか。僕はそう思いたくないのである。
好きな仕事を出来ている自分は、相当な幸せ者だと思う。
けれど、何時の間にか「個」としてその仕事をやっているのか「組織」としてその仕事をやっているのか、その境が見えなくなるんじゃないかと心配している。それこそ、気づいたら組織によって自分が時間的に(それ以外でも)縛られてるんじゃないかなと。
これがもし女性の立場だったらどうか。
端から、選択肢として仕事に命を懸けて取り組むということがなかったとしたら(そうやって割り切った状態からスタートしているとしたら)、縛られることってないのかなと思う。組織に執着する必要がないもの。それは大企業だろうとベンチャーだろうと中小企業だろうとどこで働いていようと同じで、自分をどれだけ自分として確立させられているか、の違いだろうと思う。
Tech Mom from Silicon Valley - 大企業で働くのも悪くない曰く、
一方、好きでも大企業にはずっといられない私のような人間もいる。女性にとっては、梅田さんの大企業適性論みたいなものは、かなり初めから英語で言う「moot」(該当しない)だという気もするし、賢いキャリア女性の同輩・後輩の皆さんは、最初からこういうことをわかっていて、「好きを貫く」ための努力と試行錯誤をいろいろしていることだと思う。そういう意味では、私にとっては、梅田さんの「好きを貫く」論は、基本の部分では共感できる。
鶏か卵かの話になってしまうからきっかけは何でも良しとしても、最終的に「好きを貫く」ことが出来る女性たちは、自分から見たらすごい人たちだ。女性にとってはもしかしたら当たり前の話なのかもしれないけど、馬鹿男の自分から見たら、「好きを貫く」を割り切って選択できることがどれだけ勇気の要ることか。
でもよくよく考えてみると、これって男性女性でどう違うかという話ではなくて、結局のところその人自身の問題だから性差じゃなくて生き方のスタンスの違いだろうか。
「社内を元気にするにはどうしたら良いか」という問題を考えたとき。
自分の働く会社はいたって典型的な日本的大企業で、なんというか適当なやりがいで適当に仕事をしている人も多いわけだ。で、そういう人たち見てると超むかつくんだけど、でもその人自身が、自分自身の選択として自分の「好きな何かを貫いて」働いてたりするのであれば、文句は言えない。(ま、そんなこと貫いてる人あんまり多くないんだろうけどね。)
ところで、この4月で、わたくしもついに「社会人3年目」に突入した。「大卒新入社員は3年で3割が辞める」という踊った数字が、ついにぞ自分の身近なものとして近づいてきた。試金石である。