山中カメラという名前のアーティストがいる。
その山中カメラ氏の作品をおさめた書籍というかCDが先日発売された。

山中カメラ氏は、盆踊り(BON-DANCE)をいろいろな地域で作っているサイトスペシフィックなアーティストのひとりだが、その各地の盆踊りをCD化して発売したというわけだ。

このCDには11曲が収録されているのだが、その中でもやはりどうしても何度も聞いてしまうのは別府最適音頭だろう。

別府最適音頭は、大分は別府で開かれた芸術祭「混浴温泉世界」(2009年)で披露された作品である。

じつは私も初披露のそのとき、別府にいた。
別府タワーで開催された別府最適音頭のお披露目は、本当に本当に異常な盛り上がりだった。盆踊りだし、その場にいた人たちみんなで踊りだすの。しかも何度も。

あの場にいた人の多くは、きっと私と同じようにあの瞬間を忘れていないのではないだろうか。
そこにいたのは200人くらいだったそうだが、たまたま自分がそういう場にいられたのは奇跡だなと思う。


山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?によれば、別府タワーの別府最適音頭のお披露目を見に来ていた大友良英氏にも、山中カメラ氏の盆踊りは大きな影響を与えていたそうだ。

大友良英氏は、世間的にはNHK朝ドラあまちゃんの音楽で有名になった感があるが、あまちゃんの以前に、東北とのつながりでいえば、プロジェクトFUKUSHIMA!を立ち上げている。そしてそのプロジェクトFUKUSHIMA!で盆踊りを製作しているのである。

地域と盆踊りと現代アートという組み合わせは、その後 プロジェクトFUKUSHIMA!やフェスティバルトーキョーの大友良英氏、あるいは時代は前後するが池袋・にゅ〜盆踊りや六本木アートナイトのコンドルズ近藤良平氏、デデマウスのようなアーティストにまで相互に影響を与えているのではないかと勝手に思う。