札幌某所の某オフィススペースにいたら、後ろから「きゅーきゅー」という声が聞こえてきた。
なんだろうと振り返ると、そこにいたのはロボットだった!

これは、あの、癒しロボットではないか。

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名前はLOVOT(らぼっと)。

ロボットだけど、特に何かしてくれるわけではない。お掃除をしてくれるわけでもなければ、何かを運んでくれるわけでもない。
ただウロウロして、きゅーきゅーと鳴いているだけのロボットだ。

ただウロウロして、きゅーきゅーと鳴いているだけなのに、それがとても良い。
仕事の役には立たないけど、仕事の邪魔にもならない。
ロボットという「機械」なのだけれど、まるでペットのような何かの生き物がいるかのようなあたたかな心地良い感覚だし、邪魔にならない存在感である。

LOVOT(らぼっと)のことは、一昨年の「きみとロボット」展(日本科学未来館)で見たことはあったが、そのときは「ここにロボットがいる」ということを認識した上で触れ合った。だから、「ロボット」に対する向き合い方の覚悟が決まっていた。よし、今からロボットを興味津々で見ちゃうぞ、と。
しかしどうだろう。札幌のここでは、仕事をしていたら不意に後ろから「ロボット」が迫ってきたわけで、覚悟が一切ない状態である。
つまり自分が自然体でいるところに「ロボット」に介入されたわけで、そんなときに「ロボット」のことを、ここまで「ロボットではない」と認識するとは思わなかった。

LOVOT(らぼっと)は、どうやら豊橋技術科学大学の岡田先生が提唱する「弱いロボット」理論に影響を受けているらしい。
岡田先生の弱いロボットも、LOVOT(らぼっと)と同様に、いやそれ以上に約に立たなそうなのだが、この約に立たないものこそ必要なのだと感じる。約に立たないのに役立つのである。

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