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じつは15年ぐらい前に、港区に建設予定の(仮称)文化芸術ホールの検討委員だったことがある。
紆余曲折を経た結果、建設予定はのびのびになっているのだけれど、その(仮称)文化芸術ホールの「気運醸成事業支援業務委託」なるものを港区が実施することになり、その事業者に芸術公社が選定された。

(仮称)文化芸術ホール整備に向けた気運醸成事業支援業務委託に係るプロポーザルの選考結果について
選考事業候補者名
特定非営利活動法人 芸術公社


芸術公社は相馬千秋さん率いるチームで、シアターコモンズを実施している団体でもある。

さて、この気運醸成事業支援業務委託に対する芸術公社の企画書を見ていたら、気になる言葉を発見した。
その言葉とは「ヤングケアラー」である。

(1)シンポジウム及びワークショップの企画・運営
【テーマ】共生社会と創造性をめぐって(仮)
コロナ禍は、すべての人が潜在的に病人、弱者になりえるということを改めて人類に突きつけると同時に、社会の至るところでケアを担ってきた人たち、医療従事者やケア労働者、ヤングケアラーといった人々の存在を顕在化しました。(中略)コロナ以降に目指すべき共生社会の形と、そこで可能なアートの役割について、事例を交えて議論します。


ここで、さらりとヤングケアラーという言葉が入っていることに驚きつつ、さすがだなと感嘆した。続きを読む

映画「マイスモールランド」を見た。



日本に暮らすクルド難民の物語である。

言わずもがな、日本は難民にたいしてとても厳しい対応をする国である。映画の中でも、理不尽が過ぎる難民に対する日本の入管の対応やその制度が描かれる。
映画の主人公は、小さな頃に親に連れられて、いわば自分の意志とは関係なく日本にやってきただけの未成年だ。なのに、難民申請が認められず、働くことも県境すら超えることを許されない生活を送る。
働くことを許されないのって、どうやって暮らしていけば良いんだと、主人公も見ている私もどちらも途方に暮れるわけだけれど、これが日本の制度の現実である。そのまま描いているだけなのに、ひどいと感じる。ひどい。

あらためて、日本の難民に対する対応のおかしさを痛感する。
これがおもてなしの国日本なのかと、皮肉る言葉も映画の中に出てくる。続きを読む

いろんな意味で話題の、「ダミアン・ハースト 桜」はみなさん見に行っただろうか。
カーサ ブルータスにも記事が載っていたよ。

長濱ねるが日本初の大規模個展『ダミアン・ハースト 桜』で没入体験。


現代アートに一家言ある人たち界隈は、見る前から既にいちゃもんがついていたダミアン・ハーストの本展覧会だが、おおむね見に来ている人の多数派はアートの文脈なんて気にしていないので、SNSを見る限り好意的な感想が目立つ。

何より本展覧会は、来場者がSNSに感想をアップしながら、そこに作品の「桜」にしれっと投稿者自身が写りこんだ写真を挿入しているというシチュエーションが興味深い。

現地に赴くと、桜の絵にスマホのカメラを向けている人の多いこと多いこと。

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こっちにも、あっちにも。

IMG_4241続きを読む

山形県鶴岡市といえば、藤沢周平が描いた数々の作品の舞台である。
ついでにわれわれ豊橋っ子としては、豊橋(吉田)の殿様 酒井家の子孫が鶴岡藩主の酒井家へと続いているわけであり、藤沢周平の数々の歴史小説は、豊橋と地続きであると言っても過言ではない。いや、過言か。

さて、いつだったかそんな鶴岡市に出かけた際にタクシーに乗ったら、タクシーの運転手さんが興味深い話をしてくれた。
最初は「鶴岡や庄内はごはんがおいしいよー」とかそんな話をしていたのだが、観光名所の話題になったときに、こんなことを言うのである。
「観光名所と言えばさ、鶴岡に新しい文化会館ができたんだけど、それがひどいのなんのって! 一回見に行ってみて!」とのことなのだ。

ちなみにこの話を聞いた時点で、私は自分が劇場ウォッチャーであるという話はまったくしていない。なのにいきなりこんな話をしてくるとは、よっぽど地元では有名な文化会館なんだろうか。っていうか観光名所なのか。

ということで、さっそく鶴岡の文化会館に出かける私である。
鶴岡市文化会館、それはネーミングライツによって荘銀タクト鶴岡と名づけられている。
その荘銀タクト鶴岡はこれだ!
じゃじゃん!

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パラリンピックの開会式の演出を、ウォーリー木下氏が務めたと聞いて、その映像を見てみた。
なんだか、あれやこれやの諸問題で批判されてきたオリンピック・パラリンピックの中で、ようやく演劇人が一矢報いたな、という感想を持ってしまった。
オリンピックの開会式・閉会式がひどかったらしいから、その反動もあるのだろうけど、どうやらパラリンピックの開会式は評判が良いそうじゃないか。
見たか、利権と遠い演劇人がこういうところで活躍するんだぞエッヘン、という気分に、業界の端くれの人間として思うわけである。
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